この章では、VDPを制御するコントロールレジスタ、ステータスレジスタについて説明します。
3.1 コントロールレジスタ#0〜#23、#32〜#46(Write only)
3.1.1 モードレジスタ
モードレジスタは各種動作モードを設定するレジスタで、コントロールレジスタ#0、#1、#8、#9に配置されています。
Mode register 0
IE2はライトペン割り込み用のビットです。MSXではこの機能は使用しないので、常に「0」にして下さい。
Mode register 1
Mode register 2
MSはライトペン用の、LPはマウス用のレジスタです。MSXではこの機能は使用していないので、常に「0」にして下さい。
Mode register 3
3.1.2 テーブルベースアドレスレジスタ
V9938に対してVRAM上の各テーブルの先頭アドレスを宣言するためのレジスタ群です。
表示モードによっては、設定できるデータの値に制限(実際のアドレスと異なる場合)があるので注意して下さい。詳しくは、各表示モードの解説を参照して下さい。
Pattern name table base address register
Color table base address register low
Color table base address register high
Pattern generator table base address register
Sprite attribute table base address register low
Sprite attribute table base address register high
Sprite pattern generator table base address register
3.1.3 カラーレジスタ
V9938の表示色、ブリンクなどを制御するためのレジスタ群です。
Text color/Back drop color register
Text color/Back color register
| T23〜T20 | パターンの1の部分の色を指定 |
| BC3〜BC0 | パターンの0の部分の色を指定 |
Blinking period register
| ON3〜ON0 | 偶数ページの表示時間(ビットマップモード時) |
| R#7の色の表示時間(TEXT2モード時) | |
| OF3〜OF0 | 奇数ページの表示時間(ビットマップモード時) |
| R#12の色の表示時間(TEXT2モード時) |
Color burst register 1
| 補足 |
MSXのコンポジットビデオ出力は、多くの場合V9938のRGBビデオ出力から外部回路により作成されます。したがって、コンポジット出力に影響のある機能は有効ではないとお考え下さい。
3.1.4 ディスプレイレジスタ
CRT上の表示位置を制御するレジスタ群です。
Display adjust register
CRT上の表示位置を補正するためのレジスタです。
| 左右の補正(H) | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 0 | 15 | 14 | 13 | 12 | 11 | 10 | 9 | 8 | |
| 左 | 中央 | 右 | |||||||||||||||
| 上下の補正(V) | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 0 | 15 | 14 | 13 | 12 | 11 | 10 | 9 | 8 | |
| 上 | 中央 | 下 |
Display offset register
表示開始ラインをセットするためのレジスタです。このレジスタの値を変えることによって画面の縦スクロールを行うことができます。ただし、スクロールは256ライン単位で行われるので、スプライトテーブルなどは別のページに置かなければなりません。
Interrupt line register
V9938では、CRTが特定の走査線の表示を終えたときに割り込みを発生させることができます。このレジスタに割り込みを発生させる走査線の番号をセットし、R#0のビット4に「1」をセットします。
詳しくは、添付のフロッピーディスクの中に走査線割り込みのサンプルプログラムが入っていますので、参照して下さい。
3.1.5 アクセスレジスタ
V9938のレジスタやVRAMをアクセスするときに使用するレジスタ群です。
VRAM Access base address register
Status register pointer
Color palette address register
Color register pointer
3.1.6 コマンドレジスタ
V9938のコマンドを実行するときに使用するレジスタ群です。詳しくは5章を参照して下さい。
Source X low register
Source X high register
Source Y low register
Source Y high register
Destination X low register
Destination X high register
Destination Y low register
Destination Y high register
Number of dot X low register
Number of dot X high register
Number of dot Y low register
Number of dot Y high register
Color register
Argument register
Command register
3.2 ステータスレジスタ#0〜#9(Read only)
V9938の状態を読み出すための、読み出し専用のレジスタ群です。
Status register 0
Status register 1
FLとLPSはライトペン用のレジスタですがMSXではこのインターフェイスは使用していないので、ビット6、7は意味を持ちません。
Status register 2
Column register low
Column register high
Row register low
Row register high
これらのレジスタには、スプライトの衝突座標などがセットされます。詳しくは「6.2.8 スプライトの衝突」をご参照下さい。
Color register
POINT、VRAM to CPUなどのコマンドを実行すると、VRAMのデータがこのレジスタにセットされます。
Border X register low
Border X register high
サーチコマンドで発見した境界色または非境界色のX座標が、このレジスタにセットされます。